コールセンターには付き物のクレーム。
そのクレーム対応のなかで、言ってはいけない言葉というのは具体的にどういったものか。
なんとなくはわかるけど、具体的に理解している人って少ないんじゃないんでしょうか。
今回はクレーム対応時に言ってはいけない言葉について触れていきたいと思います。
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「おっしゃる通りです」「ごもっともです」と共感してはいけない
以前社内でクレーム研修があった時の話です。
講師の方が3つの言葉を提示し、「クレーム対応で適切な言葉を1つ選んでください」と投げかけてきました。
その3つの言葉というのが以下のものです。
A「お客様、もう少し落ち着いてください」となだめる
B「仰る通りです」「ごもっともです」と共感する
C「では、このようにさせていただきます」と切り出す
その研修には十数人参加していたのですが、ほとんどの人は「B」を案内すると答えていました。
ちなみに僕自身は、クレームの解決策を提示・提案できるようであればまずは「C」を答え、提示・提案できないようなクレーム内容であれば「B」と答えました。
3つのうち、どの言葉を言うのが正解なのか?
講師によれば、これらは基本言うべき言葉ではないと言うのです。
実はこの3つの言葉、クレーム時に言ってしまうとお客様を怒らせてしまう順に並んでいるのです。
つまり3つのなかで「C」が最も怒らせない言葉であり、「A」が最も怒らせてしまう言葉ということです。
Bと答える人が多かったわけですが、仮に3つの中から選ぶのであればCから言うべきなのです。
しかしなぜBと答える人が多かったのでしょうか。
Bはなんとなく、クレーム客に対して共感すれば落ち着いてくれそうな雰囲気のある言葉です。コールセンターで働く人々のほとんどは、Bの言葉を見てわたしと同じようなことを感じるんじゃないんでしょうか。
だからBと答える人が多かったようです。
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全面謝罪と部分謝罪の違いを知る
さて、上記でどの言葉も人を怒らせてしまう言葉だと伝えました。えらぶ人が多かったBも、実は選んではいけない言葉でした。
なぜ選んではいけないのか。
それはBの言葉が全面謝罪にあたるからです。
「全面謝罪」という言葉を聞いたことがある人もいるかも知れませんね。
全面謝罪というのは、相手の言っているクレームをすべて認めて謝るという言葉です。
相手の言うことを全て肯定するわけです。
全て肯定し謝罪をするというのは大変危険です。
コールセンターとして、会社として相手の要望をすべて飲むことはできないでしょう。
全て肯定してしまうと、相手の要望をすべて飲まなければいけないハメになります。
もし要望を飲めないとなると、「おまえさっきオレが言ったことはすべて正しいと言ったじゃないか!」と更に炎上します。
言葉として「お客様の言うことは全て正しいです」と言っていなくともこうなります。
「お客様のいうことはごもっともです」と言うこと自体が「全て正しいです」と言っているようなものだからです。
謝罪をするときは全面謝罪をしてはなりません。
部分謝罪をすべきなのです。
部分謝罪というのは、「○○に対しては申し訳ありませんでした」と謝罪する部分を限定すること。
例)「ご不便をおかけし申し訳ありません」
『申し訳ありません』だけだと、すべての事柄に対して謝罪しているように受け止められがちです。
「ご不便をおかけし」を付け加えることで『不便な思いをさせた』という部分に対して謝罪していることが明確になります)
例)「ご負担をおかけし恐れ入ります」
これも『恐れ入ります』だけではなにに対して謝罪をしているのか明確ではありません。負担をかけたことに対して悪く思っていると伝えれば、部分謝罪となるのです。
部分謝罪をすることで、「おまえさっきオレが言ったことはすべて正しいと言ったじゃないか!」などという状況にはなりません。
もし相手が「すべて正しいと言ったじゃないか!」と言ってきたとしても、「わたしは『ご負担をおかけした』ことに対して謝罪したまでです」と切り返せます。
まとめ
今回はクレーム対応時に言ってはいけない言葉を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
クレームには結構頭を悩まされるもの。今後もクレーム対応のTIPSを紹介していきたいと思います。
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